骨シアロプロテイン1(BSP-1またはBNSP)とも呼ばれ、ヒトにおけるSPP1遺伝子 (分泌ホスホ蛋白1)によってコードされるタンパク質です。
この遺伝子は7つのエキソンを有し、5キロベースの長さに及び、ヒトでは染色体4領域22(4q1322.1)の長腕に位置します。 このタンパク質は、~300個のアミノ酸残基から構成され、ゴルジ装置における翻訳後修飾時には10個のシアル酸残基を含む~30個の炭水化物残基が付着しています。
構造
一般構造
OPNは、強く負に帯電した細胞外マトリックスタンパク質です。約300個のアミノ酸残基からなる、33-kDaの新生タンパク質として生合成され、翻訳後の修飾を経て、分泌時には約44kDaの分子量になることもあります。
生合成
OPNの産生細胞を炎症促進サイトカインに曝した場合、急性炎症の古典的なメディエーター(例えば、腫瘍壊死因子α[TNFα]、インターロイキンー1β[IL-1β]、アンジオテシンⅡ、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)
および副甲状腺ホルモン(PTH)の生合成が促進されることが知られています。
また、高血糖症や低酸素症でもOPNの発現が増加します。
生物学的機能
< 特に免疫機能における役割 >
OPNは、接着タンパク質として機能し、細胞の付着や創傷治癒に関与すると共に、細胞の活性化やサイトカインの産生を介してアポトーシスの進行を調節することで、遅発性細胞死を抑制することも知られています。
潜在的な臨床応用
OPNが、ユビキタスに発現している複数の細胞表面受容体と相互作用するという事実は、創傷治癒、骨代謝、腫瘍形成、炎症、虚血、免疫応答を含む多くの生理学的および病理学的プロセスにおける重要な
プレーヤーとなり、血漿(または局所的な)OPNレベルの調節、自己免疫疾患、癌転移、骨粗鬆症、等の治療に有用であると考えられています。