1.内容 |
イムノ-PCRは抗原抗体反応のもつ特異性とPCR法のもつ優れた感度を併せもつ新しい抗原検出法として、1992年にSanoらによって初めて報告されました。
しかしながら、抗原固相化法の場合、血中マーカーや培養細胞をはじめとする微量しか存在しない抗原の検出には検出濃度が低いため使用困難。またサンドイッチ法(double
determinant)では、ビオチン化2次抗体、ストレプトアビジンが非特異的に結合するため、DNAの量が多いと抗原を含まない場合でもDNAが増幅され、バンドとして検出され、定量性に問題がありました。
ケアティスでは、固相の材質、ブロッキング剤、抗体に結合させる核酸(タグ)の改良を行うことによりこれらの問題を改善し、キットとして販売しております。
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2.キットの構成 |
■ビオチン複合プロテインA/G溶液
■ストレプトアビジン溶液
■ビオチン化オリゴヌクレオチドタグ(imTag)
■PCR用プライマー
・センス(S)
・アンチセンス(AS)
■トップイールド(PCR反応チューブ:Nunc社製)
■ブロッキング溶液
■固相化溶液
必要な機器
■サーマルサイクラー
■適当なPCR産物の検出装置(電気泳動装置) |
定価:税込15,000円(16検体分)
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3.測定方法(原理) |
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4.実施例 |
イムノPCR法(サンドイッチ法)を用いたフルオレセイン標識BSA(自家製作:F-BSA)の検出を行った。本法では100pg/mlのF-BSAが検出することができ、従来法であるELISA(HRP)法と比べて約1000倍高感度であった。
1.サンドイッチ法
【操作法】(概略)
1.目的の一次抗体(固相用)を炭酸緩衝液で希釈し、トップイールドに添加。
2時間室温放置。
2.PBST100μlで3回洗浄
3.100μlのブロッキング溶液100μlを入れ、2時間以上放置。
O/Nの場合は冷蔵保存。
4.PBST100μlで3回洗浄
5.目的抗原に対する抗体(二次抗体)を50μl入れ、インキュベート。
6.PBST100μlで3回洗浄
7.imTag*を希釈し、50μl入れ、15分間放置。
8.PBST100μlで5回洗浄。
9.PCRの操作法に従い、プライマーS、プライマーASを加え、PCRを行う。
10.PCR産物はアガロース電気泳動、あるいは適当な機器を用いて測定。
抗原標品を用いることにより定量することができる。
*ビオチン複合プロテインA/G溶液を使用することにより、二次抗体をビオチン化せずに測定することもできます。
*各試薬の濃度については別途お知らせします。
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【結果】
↓は、PCRされたされたDNAを示し、抗原(F-BSA)量に比例していることがわかる。(PCR:20サイクル)
《PCR結果》
2.抗原固相化法
【操作法】(概略)
1.目的の抗原を含む試料をトップイールドに添加。2時間室温放置。
2.PBST100μlで3回洗浄
3.100μlのブロッキング溶液100μlを入れ、2時間以上放置。O/Nの場合冷蔵保存。
4.PBST100μlで3回洗浄
5.目的抗原に対する抗体を50μl入れ、インキュベート。
6.PBST100μlで3回洗浄
7.imTag*を適当に希釈し、50μl入れ、15分間放置。
8.PBST100μlで5回洗浄。
9.PCRの操作法に従い、プライマーS、プライマーASを加え、PCRを行う。
10.PCR産物はアガロース電気泳動、あるいは適当な機器を用いて測定。
抗原標品を用いることにより定量することができる。
*ビオチン複合プロテインA/G溶液を使用することにより、二次抗体をビオチン化せずに測定することもできます。
*各試薬の濃度については別途お知らせします。 |
【結果】
↓はPCR化されたDNAを示し、サンドイッチ法とほぼ同等の感度が得られ、抗原(F-BSA)量に比例していることが分かる。
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